第八十六回 理想のマンネ学講座

(コンコン、ガチャ)

ソユル:『ごめんくださぁい。』

チャンミン:『遅いっ!お前ぺーぺーのくせにどんだけ先輩待たせんねん!お!?』

ソユル:『ひぃっ!!す、すんません!!(ペコペコ)』

チャンミン:『それにその背中でさっきからゆっさゆっさ揺れてるけったいな人形なんやねん!自分いくつや?』

ソヒョン:『まぁまぁ兄さん、そう最初からいびらんと。ほな新人さん、まずは挨拶からしてもらいましょか?』

ソユル:『は、はいっ!クロムエンターテイメントの新人アイドル、クレヨンポップのマンネをさせてもろうてます、ソユルと申します!91ラインでございます!どうぞお見知りおきを!(ペコペコ)』

キュヒョン:『91かぁ。セフタオより歳いってるなぁ。』

テミン:『僕、ウユが飲みたいー。バナナやなしにメロンのがいいー。』

ソヒョン:『と、兄さんがご所望やで。早速買ってきてちょうだい。』

ソユル:『へっ?』

ソヒョン:『へ?やあらへんがな。』

ソユル:『そう言われましてもあの今日はピンの仕事やと聞きましてここまで来たんですが…。お仕事の内容は一体どういう…。』

チャンミン:『お宅の事務所が昨今の騒動で心配やからって、うちのマンネ育成システムを学ばせてくれと頭下げてきたさかい、俺らがつきっきりで講義したる事になったんや。ありがたく思えよ。ミッチリ叩き込んだるさかい。』

ソヒョン:『そういう事やから、今日は私らの言うことようお聞き。ほな、とっととコンビニでテミン先輩のうゆ買っておいで。領収書貰いや。』

ソユル:『へ、へぇ…。宛名は…。』

ソヒョン:『うちみたいな銭にうるさい事務所が講義料取らへんだけありがたく思って。それはそっちの事務所持ちや。ああ、ついでや、ミシッカルの粉も買ってきて。』

キュヒョン:『僕ダンキンドーナツとコーラ。』

クリスタル:『ケーキ食べたくなってきたわぁー。』

チャンミン:『大声だしたら腹へって来たなぁ。チキン買ってきて。少な目でええぞ。10人前程度で。』

セフン:『僕甘栗剥いちゃいました。』

タオル:『僕グッチのエディターバッグ。』

ソユル:『はぁ!?みんなして好き勝手…グッチとかそれどうしたら…トホホ…結局パシリやん…(涙)』


(1時間後)

ソユル:『も、戻りました…。(ぜぇぜぇ)』

チャンミン:『遅い!』

ソユル:『せやかて皆さん、ばらんばらんな事を言うので…。』

ソヒョン:『それこそが、このマンネ学講座一番目の題目や。』

ソユル:『へ?』

ソヒョン:『ひとぉつ!!【バラバラな主張の中で生き残れ!!】』

チャンミン:『復唱ぉ!!』

ソユル:『ひっ、ひとぉつ!バラバラな主張の中で生き残れ!』

キュヒョン:『その通り。俺らグループアイドル、いわゆる"群ドル"は、あまたいるメンバー達が水面下で駆け引きをしながらテレビカメラの前に立っとる。』

ソユル:『はぁ…。』

キュヒョン:『うちのグループなんか、トーク番組やらMCで、誰にどうボールが回るか、みんな笑ってはおっても腹の中では必死なんやぞ。兄さん方を立てなあかんけど、立てっぱなしやとチャンミンみたいに木偶の坊キャラになってまう。今は頭数減って本来の柄の悪さが全面に出てキャラが立ってるけれども。』

チャンミン:『はっきり言い過ぎや。』

ソヒョン:『そして次に必要なのは、(ピシャッ!)それや。』

ソユル:『へ?この領収書がなにか…。』

ソヒョン:『うちらは兄さん姐さん方が自由勝手にトークではしゃぎ倒している中でも、商売を忘れたらいかん。番宣、新譜発売の販売促進トーク、たとえライブでMCが盛り上がっていても、これをキッチリ突っ込むのはマンネの努めや。』

チャンミン:『マンネと書いて、集金係と読んでもいい。』

ソユル:『露骨やなぁ…。』

キュヒョン:『てことで、【ふたぁつ!いつでも全力で販売促進セヨ!!】』

ソユル:『ふ、ふたぁつ!いつでも全力で販売促進せよぉ!』

クリスタル:『なんやネズミ講商売のアジトみたいになってきたな(呆)』

セフン:『タオ意味わかるか?』

タオ:『タオよぉわからんけどひょんたちすごいな。』

セフン:『せやな。えらいな。』

テミン:『エクソは平和やなぁ…世代が違うなぁ。』

クリスタル:『シャイニも十分あっちとは世代がちゃうわ。』

チャンミン:『ほな、最後にとっておきの格言や。よう覚えろよ。』

ソユル:『ハ、ハイ!』

チャンミン:『みっつぅー!【毒舌は!金に変えろ!!】』

ソユル:『はっ!?』

キュヒョン:『これこそが、SMEが今日の発展を遂げられた秘訣や。』

ソユル:『それはどういう…。』

チャンミン:『メンバーの悪口や暴露ネタは決して影で言うたらいかん。ましてやネットや他人の口から漏れるなんぞあってはならん。』

ソヒョン:『そういうのは、すべからく、バラエティー番組のネタにするんや。ペンやらアンチがどこで見てるかも分からん所で滅多な事を言うもんやない。』

ソユル:『な、なるほど…。』

キュヒョン:『ネタは残さずトークに変えて、したたかにバラエティーで生き残れ!』

ソヒョン:『どうせ年上らはあっというまにとうがたつ。その時こそが勝負や…。その時、"マンネは大人っぽくなったね?""トーク番組も安定して任せられるんちゃう?"とかプロデューサーに気に入られたらもうこっちのモンや。(ケケケ)』

チャンミン:『それこそが"マンネらしさ"やぞ?分かったか?』

ソユル:『はい!なんかよくわかりませんが、うまくいく気がしてきました!!』

チャンミン:『よし!その少しアホっぽい感じも大事な要素や!自分、上手くいくど!(バシコーン!)』

ソユル:『あっ!人形が…!!!』

クリスタル:『窓の外飛んでったで…。』

テミン:『ああー出待ちで群がってるペン達がとっつかみ合って奪い合ってる。僕らからのプレゼントと間違ごうてるわ。』

タオ:『あ、首もげた。』

ソユル:『ひぃぃぃぃ!やっぱりSMEはタレントもペンも恐ろしいとこや…。』


御大に相当補足いただきすみません。

※何ライン:
ソユル(クレヨンポップ)91ライン
セフン(EXO-K)94ライン
タオ(EXO-M)93ライン
ちなみにタオはパンダとグッチがお好きで、口数の少なとリーダークリスへの甘えん坊さゆえ白痴キャラなどと言われているが、真偽のほどは定かでない。
御大おっしゃるとおり、セフタオの方が年下である。

チャンミン:あんな細い体を維持してはいるが、大食いである。

※マンネの営業トーク
東方神起、superjunior、SHINee、少女時代のライブ会場で確認した結果、エンディングMCで新曲発売の下りを話し出すのは決まってマンネである。
まるでFNS27時間テレビにおける新人アナウンサーデビューの"提供読み"のように、必ずマンネが噛まずに言う。
たとえどんなにトークが盛り上がっていようともぶったぎる。そしてそこに先輩達が乗っかってきてトーク展開する。あれはSMEお家芸だと思う。

※事務所前出待ち:日韓共に、SMEは禁止である。かつては暗黙のルールがあり、その範囲内で各ペンカフェメンバー達に許されていたが、今や世界中のペンが大挙する事態となり統制がとれなくなってしまった為、禁止が言い渡された。