第131回 24Hテレビ/愛は地球を救う「…アイドルって?この人達のかたち」スペシャルドラマ-私の彼はトムヤム君- 」2

ベトナム ホーチミン


少年:「にいちゃんおかえりー!!」

トム・ヤム君:「おー!ただいまー!!(抱き上げ)大きくなっったなぁー!」
少年:「へへっ!にいちゃんがいない間背も伸びたよ!」

青年の名前はトム・ヤム君。
この国でジャングルのツアーガイドをしていたが、偶然訪れた芸能事務所の社長イスマンにスカウトされ、韓国でアイドルとしてデビューした。

つかの間の夏休み。実家のバナナ農園を手伝う為、彼は故郷に戻ってきた。
都会の汚れた空気に疲れていたけれど、ここはいつもと変わらず心地いい。

少年:「あ!にいちゃん!このパスポートと一緒に入れてる写真…このおねーちゃん誰だよ!(ニヤニヤ)」
トム・ヤム君:「え!コラ勝手に触っちゃダメだ!」
少年:「誰だか教えてくんなきゃ返してやんないー(べろべろー)」
トム・ヤム君:「それはそのあの…まぁ大事な人だ!」
少年:「うわぁー!にいちゃんの彼女だ!顔赤いぞー!わーいにいちゃんのえっちー!」
トム・ヤム君:「大人をからかうなー!」

彼には、韓国で大事な友達が出来た。
彼女とは、時々電話やメールをする。
それだけで彼は胸が高鳴って、幸せな心地になった。
アイドルという立場もあって、なかなか街を歩くことも出来なかった。でも彼女はいつも優しく接してくれた。

母:「ヤムー!帰って早速で悪いけど、日本人の団体さんのガイドお願いしていい?"農園バナナ狩りCコース"よー。」
トム・ヤム君:「分かった!サル回し芸見せて青いのじゃなくて黄色い方のバナナを食べさせるツアーだよね!(ぴぴぴ)あーもしもし?俺!久しぶり!今帰ったんだ!うん。早速だけどお客入ったから、芸やってくれない?うん。うん。猿回しされてる感じで。今度飲み会しよーな!」
少年:「今の電話だれ?」

トム・ヤム君:「ボス猿のバブルス。あらかじめ言っとかないと、いきなり芸しろとか言うとあいつら怒るしな。日本人は俺が普通に猿と喋ってるの見たら驚くんだ。」
少年:「ふーん。変なの!」

こうして彼は毎日忙しく働いた。
(彼女どうしてんのかな…)
時々そんな事をかんがえながら。
(この星空見せてあげたいな…)
会えない程、彼は彼女の事を考えた。



written by iHatenaSync